2012年1月15日日曜日

Brother Hood


Brother Hood

ソウルに住んでいた兄弟が朝鮮戦争を通して変わり、変えられていく話。
主にウォンビンとチャンドンゴン演じるソウルに住んでいた兄弟と
一緒に戦争に行き、二人で戦争を経験する中で
戦争という精神的にも体力的にも限界状態が続く中で
人間性を保てる人と保てない人の葛藤、優先順位を
忘れてしまう人と忘れてしまった人を敬遠する人の対立など、
戦争がいかに人間関係を、人間自身を変えてしまうかを見せる。


でも私がこの映画を見て一番がーんと来たのが
冷戦の延長であった朝鮮戦争の敵見方の線引きがあまりに曖昧で、
昨日までの敵が見方になり、昨日の友人を今日は殺すさまが
あまりに残酷で、後ろに控える大国に振り回される様子が辛い。


当時の朝鮮半島はそれまで占領していた日本が、第二次世界大戦に
敗れたたことでいきなりいなくなり、自由になった!と思いきや
第二次世界大戦が終わるや否や、冷戦が始まって、
ロシアと中国がサポートする金日成将軍と、米国がサポートする
韓国政府軍との戦争に別れたわけだけど、
当時の朝鮮半島の状況なんてわかりっこないけど
きっと当時も朝鮮半島に住む一般市民の多くは、自分が赤なのか
赤じゃないのかなんてそんなこと真面目に考えたことなんかなくて
家族と一緒に美味しいご飯を食べることができれば幸せ、
っていう平凡でも最も基本的な幸せを追い求めて生活してたはず。
そこになになに国のバックサポートが入った軍が入り、
戦い始めて、どっちかに徴収されて、相手と戦ってぼろぼろ死んでいくんだから
歴史にふりまわされる~…なんかじゃ片付け切れないやるせなさがある。


金正日総書記が無くなり、金ジョンウン氏が継いだ中
朝鮮半島の情勢に世界が注目しているけれど
朝鮮戦争までは一国として存在していて、
同じ民族で、同じ言葉を話し、同じ食べ物を食べていた人達が
ある日突然殺し合い、ある日突然線を引かれたってことを忘れないで
今となっては韓国が日本を追い抜くパワーで成長して、
韓国が北朝鮮を支援し、吸収するのか?みたいな
方向で議論が進んでいるけれど、
統一の可能性、統一の意味、統一の影響、を考える一つ前に
なぜこんな状況になってしまっているのかの歴史を考えてみる必要がある

ってあまりに多くの人が思っていないことが悲しい…
と思うんです。
歴史を学ぶ意味は、繰り返さないことです、と習ったはずなのに
最近ではアメリカのイラン侵攻の是非が問われ、
イラク侵攻の犠牲なんてのは3歩歩いて忘れたので
次の項目に移ります、テーマ:イラク!
の世界で、本当にぞっとする。

どこかで読んだ、
「歴史を知って過ちを回避するのなんてうそだ、
歴史を知っているからこそ、各国は次の戦争をする」
みたいなことが書いてあって非常に納得。
そうであってはいけないのに、現状を見て納得しちゃうのが悲しい。

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