"A Single Man" Directed by Tom Ford (2009)
去年から引き続き「1年間で100本の映画を見る」シリーズで
たまたま手にとめた映画 "A Single Man"
映像の切り取り方もせりふの構成もすごく好きで
ひさしぶりに好きな映画リストに入った。
主人公Georgeの葛藤が背景にある映画で、
一つ一つのスクリーンショットをありがままにフォローするのではなく
時間軸とストーリーラインの中に、Georgeの頭の中の映像;
回想シーンや、ふと頭に出てきた映像がスムーズに混ざりこみ、
Georgeのその瞬間の興味にあわせて
一定の対象がズームインされたりスローモーションになったりする。
それは時間のフローを崩すようであっても、
実際に人間として生活している上ではみんなが体感していることで、
(上司の話をすごく真面目な顔して聞きながら
実は昨日のけんかについて考えてたりとかetc)
すごく非現実でありそうなのに、何よりも現実的。
GeorgeやGoergeを慕う学生のPotterが孤独や恐怖などについて
黙々と一人で考え込んで悩み、思考をめぐらすタイプの人間だから
彼らが発するせりふの一つ一つがしっくりと私の中に落ちる。
"But somehow we always get stuck talking about our past,
but the past doesn’t really matter to me....
And I can’t wait for the present to be over, it’s a total drag...
And death, is the future.
If one is not enjoying ones present,
there isn’t a great deal to suggest that the future should be any better."
"we’re born alone and we die alone,
and while we’re here we’re absolutely sealed inside our own bodies. "
けしてペシミスティックになっているわけではなくて
個人的にはただ現実的であるつもり。
暗い気持ちなわけではないけど、
自分は常に孤独であると認識していて、
それを一秒一秒感じて、苦しんでいる。
すごく身近な孤独や、苦しみがシーンの一つ一つに
隠れていて笑えるようで少し怖くなる。
いつも一緒にいるLloyceとPotterのつながりの浅さや
隣に住む幸せそうな夫婦の朝の挨拶から見える絆と愛の薄さ。
周りからは100%成功に見られている人たちの
影での悲しみや葛藤がごろごろ見え隠れして、
映画の世界から自分の実世界に重ねてしまう。
幸せに見えている人たちの本心、
自分がどう見られているかに対する恐怖。
Tom FordのSexualy Evocativeな静止画が多い広告は
あんまり好きじゃなかったけど、
彼が作る映像やストーリーはすごく好きだった
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