2012年2月13日月曜日

やじうま

かつてのインターン先でおんぶにだっこしてくれた
親切な上司とひさしぶりに再会
相変わらず柔らかくて
どらやきパンマンみたいな上司は
ほわーっとしてるのに誰よりも知識が多くて尊敬する。
毎日が社会見学のようで、
オバマにもヒラリーにもローマ教皇にも
会わせてくれた上司に、
インターンを通じて本格的にテレビが嫌いになり、
もともとあんまりテレビを見なかった私が、
ほぼ一切見なくなったことを話せる日がいつか来るのだろうか?

私のあとにインターンをしてたという就活生にも会う。
私はこれがやりたい!なぜなら…!
でも…!だから…なのだ!
就活してた頃の自分と重なる。

私の状況とは違うのかもしれない、
彼らが口に出してる言葉は全部心の声かもしれない。
でもあの頃の私はストーリーテラーだった。
ストリートアーティスト。
誰に聞かれるでもなく、誰に求められるわけでもないのに、
ただ何かを強く主張し、守り抜く。
隙がないストーリーで相手を説得するのがゴールで、
そこには私が小さい頃お花を摘みながら
頭によぎらせたパステルピンクとイエローの思いは共存しない。

あの頃私がプレゼンした舞台よりも、
今日バレンタインに忙しそうにするお花屋さんを見ながら、
死ぬまでに一度お花屋で働いてみたいな~…
と思うぼやきの方が純粋な真実かもしれない。
最後にどらやきパンマンな上司
「結果的にどんな仕事につこうが、
そこから違う道はいくらでも派生する。
あまり焦らずに、ゆっくりやればいい。」
派手で華やかなバレンタインプレゼントの裏には、
それを夜な夜な粉まみれになって作った
女の子の想いと苦労がある。
テレビ局のかわいいアナウンサーの裏には
数えきれないジーパン×ジャージの人達の労働があった。

せっかく焼くなら美味しいクッキーを焼きたい。
どうせ粉まみれになるのなら、大好きなあの人のためになりたい。

2012年2月11日土曜日

Inception

Inception (2010)

体調を崩して、毎日21時前に寝るようになってから
変な夢を見るようになった。
眠りが深くなったから?浅くなったから?

Day 1.
うちの会社のNY社とやりとりするメールで
人間的に信用してる先輩が私の代わりに返信をしている:

「村田は既に退社済みです。どうやらメリルリンチに転職する模様で、
本日もメリルリンチ社のイケメン社員と打ち合わせをしているのでしょう」

これを見て私は混乱する。
1.先輩どこからそんなデマを聞いてきたの?
2.もし真実だったとしても何でNY社の社員にちくっちゃうの?
3.なぜメリルリンチ?
4.そしてイケメンってわざわざSpecificに…誰?

夢は潜在意識だっていうから、
起床後、私はゆっくりと不安になる。
私と先輩の信頼関係にひずみが?
金融で生きていけないと思っている私が外資系に転職?
イケメンって、まさかあの人…?
(自分が思いつく限りのイケメンを想像)

私の中にもレオナルドデカプリオみたいな人達が入り込んで
潜在意識にこの夢を埋めつけようとしたのなら
せめてメリルリンチじゃなくてHSBCとかドイチェにするとかね。
でもNY社のメールとかすごく日常業務でリアル
Day 2.
私の高校?大学?の友人とこそこそ声で話している。
ちょっと深刻な空気感。どういう話の流れか、
みんなが私に実は自分がキョポ(在日韓国人)であることを教えてくる。
すごく小さな声で。
「しー、誰にも言っちゃだめだよ、ばれない様に生きてきたのだから」
「今でも差別はひどくて、これが公にばれたら私達は過ごしていけない」

私はそこでびっくりしながらも、
みんなキョポだって隠して生活してきたのに
私は韓国に行きたいだの韓国人になりたいだの、
いつもいつも韓国韓国言っててごめんね、と罪悪感を感じる

これも潜在意識が不明。
韓国人になりたいというモチベーションの減少が
かつての自分への罪悪感になっているのか、
前日に北朝鮮の金正男の近代的な発言に興奮
していた感情が誤り誤ってこういう結果として出たのか
それともどこかの誰かが在日コリアンに対する
差別が減っていないことを訴えて
私に何かしろと伝えようとしているのか(預言的に)


2012年、人間関係も、目標も、仕事も、プライベートも、
黙々と静かに悩んでいるそんな時期

現実社会に出せる行動は脳の10%しか使っていなくて
夢や潜在意識ではそれを超えた自分の可能性がある

みたいなことを言うけれど
私の脳みそは残りの90%を使って悩みながら
勝手に自分の映画を作って流してくれているのかしら

A Single Man


"A Single Man" Directed by Tom Ford (2009)

去年から引き続き「1年間で100本の映画を見る」シリーズで
たまたま手にとめた映画 "A Single Man"
映像の切り取り方もせりふの構成もすごく好きで
ひさしぶりに好きな映画リストに入った。

主人公Georgeの葛藤が背景にある映画で、
一つ一つのスクリーンショットをありがままにフォローするのではなく
時間軸とストーリーラインの中に、Georgeの頭の中の映像;
回想シーンや、ふと頭に出てきた映像がスムーズに混ざりこみ、
Georgeのその瞬間の興味にあわせて
一定の対象がズームインされたりスローモーションになったりする。

それは時間のフローを崩すようであっても、
実際に人間として生活している上ではみんなが体感していることで、
(上司の話をすごく真面目な顔して聞きながら
実は昨日のけんかについて考えてたりとかetc)
すごく非現実でありそうなのに、何よりも現実的。

GeorgeやGoergeを慕う学生のPotterが孤独や恐怖などについて
黙々と一人で考え込んで悩み、思考をめぐらすタイプの人間だから
彼らが発するせりふの一つ一つがしっくりと私の中に落ちる。

"But somehow we always get stuck talking about our past,
but the past doesn’t really matter to me....
And I can’t wait for the present to be over, it’s a total drag...
And death, is the future. 
If one is not enjoying ones present,
there isn’t a great deal to suggest that the future should be any better." 

"we’re born alone and we die alone,
and while we’re here we’re absolutely sealed inside our own bodies. "

けしてペシミスティックになっているわけではなくて
個人的にはただ現実的であるつもり。
暗い気持ちなわけではないけど、
自分は常に孤独であると認識していて、
それを一秒一秒感じて、苦しんでいる。 


すごく身近な孤独や、苦しみがシーンの一つ一つに
隠れていて笑えるようで少し怖くなる。
いつも一緒にいるLloyceとPotterのつながりの浅さや
隣に住む幸せそうな夫婦の朝の挨拶から見える絆と愛の薄さ。

周りからは100%成功に見られている人たちの
影での悲しみや葛藤がごろごろ見え隠れして、
映画の世界から自分の実世界に重ねてしまう。
幸せに見えている人たちの本心、
自分がどう見られているかに対する恐怖。

Tom FordのSexualy Evocativeな静止画が多い広告は
あんまり好きじゃなかったけど、
彼が作る映像やストーリーはすごく好きだった

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