“この段階で竜馬は西郷に、
「長州が可哀そうではないか」
と叫ぶようにいった。
当夜の竜馬の発言は、ほとんどこのひとことしかない。
あとは、西郷を射すように見つめたまま、沈黙したからである。
奇妙といっていい。
これで薩長連合は成立した。
歴史は回転し、時勢はこの夜を境に倒幕段階に入った。
一介の土佐浪人から出たこのひとことのふしぎさを書こうとして、
筆者は、三千枚ちかくの枚数をついやしてきたように思われる。
事の成るならぬは、それを言う人間による、
ということを、この若者によって筆者は考えようとした。”
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竜馬は幕末、勝海舟と共に、初めて
藩や幕府の枠を超えた「日本人」と言う概念をもった
そして「日本」をこよなく愛し、
「日本」を救うために一「日本人」が
どう動くべきかを必死で考え、奔走した
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“強烈な愛国心、民族意識は時代錯誤でもなんでもなく、
健全で普遍的な人間的心情である。”
/「日本外交官、韓国奮闘記」道上尚史
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